2026年06月11日
こんにちは。オールプロスです。
「フォークリフトってどうやって保管するのが正しいんですか?」
実は、この質問はあまり聞かれません。
当たり前ですよね。 所詮はサブの機械。モノを運ぶのに便利だから、とりあえず動けばいい。 保管?そこら辺に置いておけばいいでしょ。
会社のゲートの入り口をふさぐようにフォークリフトを駐車して、セキュリティ代わりにしている会社もあります(笑)
一方で、フォークリフト専用の屋根を設置して、まるで愛車のガレージのように屋内で保管している会社もあります。
では、「正しい保管方法」はあるのか?
ぶっちゃけ、ないです。
好き勝手に保管してください。
……と言いたいところですが。
長年この業界で中古フォークリフトを扱ってきて、ひとつだけ確実にわかったことがあります。
保管方法によって、車両の状態は驚くほど違う。
そしてそれは、中古で再販するときの査定金額に大きく影響する。
今回はそんな話をまとめてみました。 ちょっとした工夫で結果が変わる話、楽しんでいってください。
屋外放置がフォークリフトに与えるダメージ
まず、フォークリフトの保管で一番やってはいけないことを先にお伝えします。
屋外に、屋根もなく、カバーもかけず、ただ放置すること。
これが、フォークリフトの状態を最も早く悪化させる保管方法です。
最大の敵は「紫外線」
フォークリフトの屋外保管で一番やっかいなのは紫外線です。
日光に含まれる紫外線は、あらゆるものを少しずつ、しかし確実に劣化させます。
塗装への影響: 紫外線を浴び続けると、塗装の顔料が分解され、**色あせ(退色)**が起きます。 新車のときは鮮やかだったオレンジやブルーが、数年で白っぽく、くすんだ色に変わっていく。
ゴム・樹脂パーツへの影響: ホースやシール類のゴムが硬化し、ひび割れが発生。 油圧系統のオイル漏れの原因になります。 ハンドルやレバーの樹脂パーツもボロボロに。
シートへの影響: 座面のビニールやウレタンが劣化し、表面がひび割れて破ける。 雨水が染み込むとさらに劣化が加速します。
紫外線は毎日少しずつダメージを与えるので、日々の変化には気づきにくい。 でも3年、5年と経ったとき、保管方法の差は歴然として現れます。
雨ざらしが引き起こすサビの連鎖
紫外線と並んで深刻なのが雨です。
フォークリフトは鉄の塊です。 鉄に水がかかり続ければ、サビが発生するのは当然のこと。
問題なのは、サビは見える場所だけでなく、見えない場所でも進行するということです。
- 車体の外装 → 塗装が劣化した部分からサビが広がる
- マスト(リフト部分) → レールやチェーンにサビが出ると動きが悪くなる
- ブレーキ周り → ドラム内部にサビが発生し、ブレーキの効きが低下
- 電装品 → コネクターや端子がサビて接触不良を起こす
- 車体下部 → フレームにサビが回ると、強度にまで影響
サビは一度始まると、加速度的に広がります。
最初は小さな点サビだったものが、雨のたびに水を吸い、夜の気温低下で結露し、いつの間にか広範囲に腐食が進行する。
屋外放置のフォークリフトを何台も見てきましたが、外から見てサビが目立つ車両は、中身もかなりの確率で傷んでいます。
保管方法の違いで査定額はどれだけ変わるのか?
ここからは、中古フォークリフトのプロとして、保管方法が査定金額にどう影響するかをリアルにお伝えします。
私たちは全国から中古フォークリフトを買い取っています。 同じメーカー、同じ年式、同じ稼働時間の車両でも、保管方法の違いだけで査定額に大きな差が出ることは珍しくありません。
買取に行ったとき、外装が色あせてサビが浮いている車両を見ると、正直こう思います。
「外側がこの状態なら、中はもっとひどいのでは?」
塗装は色あせ、ボディにはサビ、シートは破れている。 この見た目だと、ブレーキや油圧系統、電装品にも問題がある可能性が高い。
当然、査定額は厳しくなります。
逆に、保管状態が良く、外装がきれいな車両は、**「この会社はフォークリフトを大事に使ってきたんだな」**と判断でき、内部状態にも期待が持てるため、査定額が上がります。
同じ条件の車両でも、保管方法の差で査定額が数十万円変わることもある。
これは大げさな話ではなく、現場で実際に起きていることです。
7年経っても新車なみ|ある鉄工所のフォークリフト
先日、久しぶりに昔オールプロスで中古フォークリフトを購入していただいたお客様のところに、ご挨拶に伺いました。
購入から7年が経っています。
普通なら、それなりに使用感が出ているはず。 特に中古で購入した車両であれば、なおさらです
ところが、そのフォークリフトを見て驚きました。
購入したときと同じようなツヤのある、きれいな状態だったのです。
正直、こちらのほうがビビりました。
思わず聞いてしまいました。
「どんな保管をされてきたんですか?」
お客様の答えはシンプルでした。
- 屋内で保管している
- 日の当たらない場所に置いている
- 雨がかからないのはもちろん、変な湿気も出てこない環境
- 機械にとっては最高の場所
このお客様は鉄工所を経営されていて、鉄の機械を何台も保有し、それで事業を回している方でした。
さすが、機械を扱うプロは違う。
機械が「商売道具」であることを知っている人は、その保管方法にも自然と気を配っている。
サブの機械であっても、大切に扱えば7年経ってもこの状態を維持できる。
この訪問は、私たちにとっても大きな学びになりました。
フォークリフトの効果的な保管方法3つ
では、具体的にどう保管すればいいのか?
大がかりな設備投資は不要です。 ちょっとした工夫で、フォークリフトの寿命は大きく変わります。
保管方法①|屋根のある場所に置く(紫外線と雨を防ぐ)
最も効果が大きいのは、屋根のある場所に保管することです。
紫外線と雨——フォークリフトの2大ダメージ要因を、屋根ひとつで同時にブロックできます。
理想は屋内保管ですが、すべての会社にそのスペースがあるわけではありません。
屋根だけでも効果は絶大です。
- 既存の建物の軒下やひさしの下に駐車スペースを確保する
- 簡易的なカーポート(屋根だけの構造物)を設置する
- フォークリフト1台分なら、10万〜20万円程度で設置可能
- どうしても屋根が用意できない場合は、ブルーシートやボディカバーをかけるだけでも違う
「たかが屋根」と思うかもしれませんが、この「たかが屋根」が5年後、10年後の車両状態を大きく左右するのです。
保管方法②|地面からの湿気を避ける
雨は上からだけではありません。 地面からの湿気も、フォークリフトを静かに蝕みます。
特に注意したいのが以下のケースです。
- 土の地面に直接駐車している → 雨が降ると水たまりができ、車体下部がずっと湿った状態に
- 水はけの悪い場所に置いている → 地面からの湿気が常に上がってくる
- 草の生えた場所に放置 → 草が水分を保持し、湿度が高くなる
対策:
- コンクリートやアスファルトの上に駐車する
- 水はけの良い場所を選ぶ
- どうしても土の上に置く場合は、鉄板やコンパネ(合板)を敷くだけでも湿気を軽減できる
先ほどの鉄工所のお客様が「変な湿気も出てこない場所」とおっしゃっていたのは、まさにこのポイントです。
保管方法③|フォークを下ろし、サイドブレーキをかけて保管する
これは保管時の姿勢の話です。
使い終わったらフォークリフトをそのまま放置……ではなく、正しい姿勢で保管することが大切です。
保管時の正しい手順:
- フォーク(ツメ)を地面まで完全に下ろす
- フォークを上げたまま保管すると、油圧シリンダーに常に負荷がかかり、シール類の劣化が早まる
- 万が一油圧が抜けた場合、フォークが突然落下する危険も
- マストを垂直に、またはやや後傾にする
- 前傾のまま放置すると、チェーンやシリンダーに無駄な負荷がかかる
- サイドブレーキ(駐車ブレーキ)をしっかりかける
- 傾斜のある場所では、サイドブレーキなしで車両が動き出す事故も
- キーを抜く
- 防犯はもちろん、不用意にエンジンをかけられることを防ぐ
- エンジン車の場合はエンジンを十分に冷ましてから保管する
- 高温のままカバーをかけると、カバーが溶けたり熱がこもって劣化が進む
たった数十秒の手間ですが、これを毎日続けるかどうかで差がつきます。
補足コラム|季節別の保管で気をつけたいこと
日本には四季があり、季節ごとにフォークリフトへの影響が異なります。
【夏】紫外線が最強の季節
- 日差しが最も強く、塗装やゴム部品の劣化が加速
- できる限り日陰や屋根の下に保管
- バッテリー液の蒸発にも注意(こまめに液量チェック)
【梅雨・秋の長雨】サビの進行が最も速い季節
- 湿度が高く、雨が続くとサビが一気に進行
- カバーをかける場合は通気性のあるものを選ぶ(密閉すると結露が発生)
- 雨上がりにはできれば車体を拭き上げる
【冬】凍結と結露に注意
- 夜間の冷え込みで車体に結露が発生し、サビの原因に
- バッテリーの性能が低下しやすいため、定期的にエンジンをかけて充電
- 冷却水の凍結防止液(LLC)の濃度を確認
【春】花粉と黄砂が意外な敵
- 花粉や黄砂が積もった状態で放置すると、水分と混ざって塗装を傷める
- この時期は意識的に車体を拭く習慣をつけると◎
補足コラム|長期間使わないときの保管ポイント
「しばらくフォークリフトを使わない」という期間がある場合、追加で気をつけたいポイントがあります。
1ヶ月以上使わない場合:
- 週に1回はエンジンをかけて、数分間アイドリングする
- バッテリーの放電を防ぎ、エンジン内部のオイル循環を維持
- フォークを数回上げ下げする
- 油圧シリンダーのシール固着を防ぐ
3ヶ月以上使わない場合:
- 上記に加え、バッテリーのマイナス端子を外す
- 暗電流による放電を完全に防止
- タイヤの接地面が固定されないよう、たまに車両を動かす
- 同じ場所に長期間置くとタイヤが変形(フラットスポット)する
- 燃料タンクを満タンにしておく
- タンク内の空きスペースが大きいと結露が発生し、水が燃料に混入する
フォークリフトの状態は「会社の顔」になる
ここで、少し視点を変えた話をさせてください。
フォークリフトは運搬機械であり、サブの機械です。 会社のメインの設備ではありません。
でも、実は——
フォークリフトの状態を見て、「この会社はしっかりしている」と判断されることがあるのです。
取引先が工場や倉庫を訪問したとき。 監査や検査で外部の人が来たとき。 新しい従業員が初めて現場を見たとき。
その人たちの目に映るフォークリフトが、ピカピカに保たれた状態なのか、サビだらけで色あせたボロボロの状態なのか。
その印象は、確実に会社全体の評価に影響します。
「サブの機械にまで気を配っている会社は、本業もしっかりしている。」
無意識かもしれませんが、人はそう判断するものです。
ちょっとした保管の工夫で、フォークリフトが会社の「名刺」になる。
これは、フォークリフトに限った話ではないかもしれません。
小さなことの積み重ねが、大きな結果の違いを生む。 日々のちょっとした習慣が、長期的に見て大きな差になる。
保管方法というささいなことが、車両の寿命も、査定額も、会社の印象も変えていく。
フォークリフトだけでなく、どんなことにも言えることではないでしょうか。
オールプロスからのメッセージ
オールプロスは、貴社の生産性を最大化させるフォークリフトを専門に扱う会社です。
サブの機械で、違いを生み出す。 そんなサポートをさせてもらっています。
私たちは900台以上の中古フォークリフトを見てきました。 屋外に放置されてボロボロになった車両も、屋内で丁寧に保管されて7年経っても新車なみの車両も。
その経験があるからこそ、お伝えしたい。
ほんの少し保管方法を工夫するだけで、フォークリフトの状態は、5年後・10年後に驚くほど変わります。
壊れず、色あせず、サビず、故障せず、シートも破けない。 そんな状態を長く維持できれば、買い替えのサイクルも伸び、結果的に大きなコスト削減にもつながります。
そして、いつか買い替えのときが来たら。 状態の良いフォークリフトは、高い査定額でお引き取りできます。
保管の工夫は、未来の資産価値を守ること。
少しの習慣で、先々の結果が変わる。 ぜひ今日から、ちょっとだけ意識してみてください。
まとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| フォークリフトの屋外放置で最も怖い敵 | 紫外線と雨(色あせ・サビ・ゴム劣化) |
| 保管方法が査定額に影響するか? | 大きく影響する(同条件でも数十万円の差が出ることも) |
| 効果的な保管方法① | 屋根のある場所に置く(カーポートでもOK) |
| 効果的な保管方法② | コンクリートの上など、湿気の少ない場所を選ぶ |
| 効果的な保管方法③ | フォークを下ろし、サイドブレーキをかけて正しい姿勢で |
| 保管が良かった事例 | 7年経っても購入時のツヤを維持(鉄工所のお客様) |
| フォークリフトは会社の顔 | 状態の良いフォークリフトは会社の信頼感につながる |
オールプロス
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