2026年07月09日NEW
こんにちは。オールプロスです。
今回はちょっと変わった切り口で書きます。
電動フォークリフトのデメリットを、正直にお伝えします。
最近、「電動フォークリフトのメリット」を語る記事は山ほどあります。 排気ガスが出ない、静か、環境にやさしい、ランニングコストが安い——
それは間違いではありません。
でも、デメリットを本音で語っている記事はほとんどない。
なぜ私たちがあえてデメリットを伝えるのか?
正直に言います。
中古で電動フォークリフトをあまり売りたくないからです。
……驚きましたか?
フォークリフトの販売を専門にしている会社が、「売りたくない」と言う。
これには、痛い経験に裏打ちされた理由があります。
私たちが経験した「電動フォークリフトの落とし穴」
ある日、お客様のご要望に応えようと、稼働時間も少なく、年式もそこそこ新しい電動フォークリフトを中古で販売しました。
オールプロスのブランドは「中古だけど新車なみ」。 車体の整備は万全。自信を持ってお渡ししました。
「ご安心ください!」
そう豪語して送り出しました。
——数ヶ月後。
お客様から電話が鳴りました。
「バッテリーの充電がすぐに減って、使い物にならない。」
急いで確認すると、とんでもないことがわかりました。
そのフォークリフトに搭載されていたバッテリーが、元々のものとは違う古いバッテリーにすり替えられていたのです。
仕入れの段階で、前のオーナーか業者が新しいバッテリーを抜き取り、古いものと交換していた。
車体自体は良好。エンジンならぬモーターも問題ない。 でもバッテリーが終わっているから、フォークリフトとして荷役作業ができない。
結局、新品のバッテリーに載せ替えました。
ここで驚愕の事実。
新品のバッテリーの価格は、中古の車体と同じくらいかかる。
つまり、お客様に中古フォークリフトをもう1台分の金額を負担させてしまった。
何のために安い中古を販売したのか、わからない。
この経験が、私たちに大きな教訓を残しました。
電動フォークリフトの中古は、エンジン車とは全く別のリスクがある。
だからこそ、メリットだけでなくデメリットを正直に伝える義務があると考えています。
電動フォークリフトの5つのデメリット
デメリット①|バッテリーの寿命問題が最大のリスク
電動フォークリフトの最大のデメリットは、間違いなくバッテリーです。
電動フォークリフトの心臓はバッテリーです。 エンジン車のエンジンにあたる存在ですが、エンジンとは比較にならないほど寿命が短い。
一般的な鉛蓄電池の寿命は約5〜7年、1,200〜1,500サイクル程度。 使い方によってはもっと早く劣化します。
そして最大の問題は、バッテリー交換のコスト。
バッテリーの種類 新品交換費用の目安 鉛蓄電池(1.5〜2.5t用) 80万〜150万円 鉛蓄電池(3.0t以上) 150万〜250万円 リチウムイオン電池 200万〜400万円以上
中古の車体と同じか、それ以上の金額がバッテリー交換だけでかかる。
エンジン車であれば、エンジンのオーバーホールが必要になるのは相当な年数・稼働時間を経てからです。
しかし電動フォークリフトは、まだ車体がピンピンしているのにバッテリーが先に死ぬということが普通に起きます。
特に中古の場合、バッテリーの残寿命が一番の不安要素です。 外から見ただけでは劣化の度合いがわかりにくく、私たちのようなプロでも、先ほどのような痛い経験をすることがある。
これが、電動フォークリフトの中古を安易におすすめできない最大の理由です。
デメリット②|稼働時間に制限がある
エンジン車は燃料を入れれば、何時間でも連続稼働できます。
しかし電動フォークリフトは、バッテリーの充電量=稼働時間です。
一般的な鉛蓄電池フォークリフトの連続稼働時間は、フル充電で約5〜8時間程度。
充電には8〜10時間かかります。
つまり——
朝8時から夕方5時まで使い続けたら、バッテリー切れの可能性がある。
2交代制の工場や、24時間稼働の物流センターでは、1台の電動フォークリフトでは回せません。
対策として予備バッテリーを用意して交換する方法もありますが、予備バッテリーも80万円以上。 バッテリー交換用の設備(バッテリーチェンジャー)も必要。
「途中でバッテリーが切れたらどうしよう」
この不安は、エンジン車にはない電動フォークリフト特有のデメリットです。
デメリット③|パワーがエンジン車に劣る場面がある
電動フォークリフトの出力は年々向上していますが、重量物の運搬や坂道の走行では、やはりエンジン車に分があるのが現実です。
特に以下の場面では、パワー不足を感じることがあります。
- 重い荷物を持ち上げながらの坂道走行 — バッテリーの消耗が激しく、パワーダウンしやすい
- 連続した高負荷作業 — 重量物を繰り返し持ち上げると、バッテリー残量の減りが急加速
- 寒冷地での使用 — 低温環境ではバッテリー性能が低下し、出力が落ちる
カタログスペック上は同等でも、実際の現場で「パワーが足りない」と感じる場面がある。
鉄鋼や建材など重量物を主に扱う現場では、エンジン車のほうが安心して使えるケースが多いです。
デメリット④|屋外・不整地に弱い
電動フォークリフトは屋内専用と考えたほうが無難です。
理由はいくつかあります。
雨に弱い: 電動フォークリフトはバッテリー、モーター、コントローラーなど、水に弱い電装品の塊です。 エンジン車のように雨の中でガンガン使うことは推奨されていません。
砂利道・段差に弱い: 電動フォークリフトのタイヤは小さめで、舗装された平らな床面を前提に設計されています。 砂利道や段差の多い屋外では、走行性能が著しく低下します。
粉塵に弱い: 粉塵が多い環境では、電装品やバッテリー端子にホコリが溜まり、接触不良やショートの原因になることがあります。
屋外メイン、もしくは屋内外を行き来する現場には、エンジン車のほうが向いています。
デメリット⑤|充電環境の整備が必要
電動フォークリフトを導入するには、充電するための設備と場所が必要です。
「コンセントにつなげばいいんでしょ?」
残念ながら、そう単純ではありません。
- 専用の充電器が必要(車種・バッテリー容量に対応したもの)
- 充電中に水素ガスが発生するため、換気の良い場所が求められる
- 充電スペースには防火対策が必要なケースもある
- 200Vの電源工事が必要になることもある
エンジン車なら、燃料を入れるだけ。 電動フォークリフトは、充電インフラという初期投資が追加で発生します。
すでに電動フォークリフトを使っている現場なら問題ありませんが、エンジン車から電動に切り替える場合は、この設備コストも計算に入れる必要があります。
じゃあ、電動フォークリフトはダメなのか?
ここまでデメリットを並べてきましたが、「電動フォークリフトは使えない」と言いたいわけではありません。
電動フォークリフトには、デメリットを上回る明確なメリットがあります。
メリット 内容 排気ガスゼロ 屋内の空気を汚さない。食品・医薬品倉庫に必須 騒音が小さい 住宅地近くの倉庫、夜間作業が可能 振動が少ない オペレーターの疲労軽減 燃料コストが低い 電気代はディーゼル燃料より安い メンテナンス箇所が少ない エンジンオイル交換、排気系統の整備が不要
屋内専用で、排気ガスを出せない環境であれば、電動一択。
大切なのは、メリットとデメリットの両方を理解した上で、自分の現場に合っているかを判断することです。
電動フォークリフトが向いている現場・向いていない現場
向いている現場 向いていない現場 屋内倉庫(食品・医薬品・精密機器) 屋外メインの現場 排気ガスを出せない環境 砂利道・未舗装の地面がある 騒音制限がある場所 重量物(3t以上)を頻繁に扱う 1日の稼働が6〜7時間以内 24時間・2交代制で連続稼働 充電設備がすでにある 充電インフラがゼロの状態 通路が狭い倉庫内作業 長距離の移動が多い 補足コラム|中古の電動フォークリフトを買うなら絶対確認すべきこと
それでも「中古の電動フォークリフトを検討したい」という方へ。
最低限、以下の5つは必ず確認してください。
① バッテリーの製造年月日 バッテリー本体に製造年が刻印されています。 製造から5年以上経過していたら、交換が近いと考えてください。
② バッテリーの比重測定値 バッテリーの健康状態を示す最も重要な数値。 各セルの比重が均一で、基準値を維持しているかを確認。
③ バッテリーが純正(元のもの)かどうか 私たちの経験のように、古いバッテリーにすり替えられているケースがあります。 車体の年式とバッテリーの製造年が極端にずれていたら要注意。
④ 充電器の状態 バッテリーだけでなく、充電器も消耗品です。 充電器の故障はバッテリーの寿命を大幅に縮めます。
⑤ バッテリー交換費用の見積もり 購入前に「もしバッテリーを交換したらいくらかかるか」を確認しておく。 車体価格+バッテリー交換費用のトータルで判断することが大切です。
補足コラム|リチウムイオン電池は救世主になるか?
近年、電動フォークリフトの世界で注目されているのがリチウムイオンバッテリーです。
従来の鉛蓄電池と比べた特徴は以下の通り。
項目 鉛蓄電池 リチウムイオン 寿命 5〜7年 10〜15年 充電時間 8〜10時間 1〜2時間 継ぎ足し充電 NG(寿命を縮める) OK 重量 重い 軽い メンテナンス 補水が必要 ほぼ不要 価格 80万〜250万円 200万〜400万円以上 リチウムイオンは確かに優れています。
充電時間が短い、継ぎ足し充電OK、長寿命—— 鉛蓄電池のデメリットの多くを解消しています。
ただし、価格が鉛蓄電池の2〜3倍。
現時点では、リチウムイオンバッテリー搭載の中古フォークリフトは市場にまだ少なく、中古としての選択肢は限られています。
今後普及が進めば、電動フォークリフトのデメリットの多くが解消される可能性はあります。 しかし2026年現在では、まだ「価格」というハードルが残っているのが現実です。
電動フォークリフトのデメリットの本質|バッテリーが命
ここまで5つのデメリットを挙げてきましたが、すべてに共通する本質はひとつです。
電動フォークリフトは、バッテリーが命。
バッテリーが終われば、車両も終わる。
エンジン車であれば、エンジンが多少くたびれても修理できる。 部品を交換すればまた元気に走り出す。
しかし電動フォークリフトは違います。
車体がどれだけきれいでも、モーターがどれだけ快調でも、バッテリーがダメになったらフォークリフトとして機能しない。
そして、そのバッテリーを新品に交換するには、車体と同じくらいの金額がかかる。
これが、電動フォークリフト最大のデメリットの本質であり、中古で購入する際に最も慎重にならなければいけないポイントなのです。
900台の販売で学んだこと|なぜオールプロスはエンジン車がメインなのか
良質な中古フォークリフトを900台以上販売し続けて、ひとつわかったことがあります。
電動フォークリフトを中古で販売するときは、本当に慎重にならないといけない。
冒頭のエピソードのように、バッテリーが古いものにすり替えられていることがある。 外から見ただけでは、バッテリーの本当の状態はわからない。
変なフォークリフトを売れば、お客様の利益にならないし、最終的に損をさせてしまう。
オールプロスの理念は「関わるすべての人に繁栄を」。
お客様に損をさせることは、この理念の真逆です。
だから、オールプロスでは実はエンジン車をメインに中古販売しています。
「なぜ電動も積極的に売らないの?」と聞かれることもあります。
理由はシンプルです。
最終的にお客様が手にするフォークリフトで、損をさせたくないから。
職人魂でお客様のことを考えると、電動フォークリフトの最大のデメリット——バッテリーが命であること——をしっかり考慮しないと、責任ある提案ができない。
もちろん、電動フォークリフトが必要なお客様もいます。 その場合は、バッテリーの状態を徹底的に確認し、必要であれば新品バッテリーへの載せ替えを前提にしたご提案をさせていただきます。
大切なのは、お客様がデメリットを理解した上で、納得して選ぶこと。
メリットだけを並べて売りつけるのは、プロの仕事ではありません。
デメリットも正直に伝えて、それでも「これがいい」と思ってもらえる提案をする。
それがオールプロスの考え方であり、エンジン車をメインに据えている理由です。
エンジン車も電動も、新品も中古も。 御社の現場に本当に合った一台を、今日もご提案してまいります。
まとめ
ポイント 内容 電動フォークリフト最大のデメリット バッテリーの寿命と交換コスト(80万〜250万円) デメリット② 稼働時間に制限(フル充電で5〜8時間) デメリット③ 重量物・坂道でパワー不足の場面あり デメリット④ 屋外・不整地・雨に弱い デメリット⑤ 充電設備の整備が必要 中古で特に注意すべき点 バッテリーの残寿命とすり替えリスク 電動が向いている現場 屋内専用、排ガスNG、騒音制限あり オールプロスの姿勢 デメリットを正直に伝え、納得の上で最適提案 オールプロス 〒651-2313 兵庫県神戸市西区神出町田井1320-58内 TEL. 078-585-5439(営業時間:8:00〜17:00)



