2026年07月11日
こんにちは。オールプロスです。
ある夏の日のことです。
容赦ない日差しで汗がにじみ出てくる正午。 いきなり飛び込みでお客様がいらっしゃいました。
「新しく事業を立ち上げたので、フォークリフトを中古で購入したいんですが……どれがおすすめでしょうか?」
新しく事業を始めたばかりで、資金も限られている中、新車ではなく中古を選ぶという堅実な判断。
しかし、ここでひとつ問題があります。
フォークリフトは、一概に「フォークリフト」と言っても、全部同じではありません。
メーカーも数種類ある。 使う用途によって形状も異なる。 そして――燃料の種類も違う。
フォークリフトを初めて購入するとき、多くの方がまず悩むのがこのポイントです。
「ディーゼル?ガソリン?ガスもあるの?電動もあるの?何が違うの?」
今回は、フォークリフトの燃料の種類と違い、そしてどれを選ぶのが最適なのかを、プロの視点でわかりやすく解説します。
基礎の基礎ですが、ここを間違えると後で後悔する大事な話です。
フォークリフトの燃料は5種類ある
まず全体像をお見せします。
フォークリフトの動力源は、大きく分けて5種類です。
| 燃料タイプ | 動力源 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| ディーゼル | 軽油 | パワフル、屋外向き、燃費が良い |
| ガソリン | レギュラーガソリン | 汎用性が高い、始動性が良い |
| ガソリン/LPG併用 | ガソリン+LPGガス | 2つの燃料を切り替えて使える |
| LPG専用 | LPGガス(プロパンガス) | 排気がクリーン、屋内外で使用可能 |
| バッテリー(電動) | 電気 | 排気ガスゼロ、静か、屋内向き |
「こんなにあるの?」と驚かれる方もいますが、これだけ種類があるのには理由があります。
使う場所、用途、頻度、環境が現場ごとに全く違うからこそ、それぞれに最適な燃料タイプが用意されているのです。
5つの燃料タイプを詳しく解説
① ディーゼル|パワーと燃費のキング
燃料: 軽油
フォークリフトの中で最もパワフルなのがディーゼルです。
ディーゼルの強み:
- トルク(力)が太い — 重い荷物を持ち上げながらの走行や坂道に強い
- 燃費が良い — 軽油はガソリンより安く、燃費効率も高い
- 耐久性が高い — ディーゼルエンジンは構造が頑丈で長寿命
- 大型車両に対応 — 3トン以上の大型フォークリフトはディーゼルが主流
ディーゼルの弱点:
- 排気ガスが多い — 黒煙やPM(微粒子状物質)が発生する
- 騒音・振動が大きい — ガソリンや電動に比べてうるさい
- DPF(排気ガス浄化装置)の管理が必要 — 近年のディーゼル車にはDPFが搭載されており、定期的な再生処理やメンテナンスが必要
ディーゼルが向いている現場: 屋外作業がメイン、重量物を扱う、長時間・高負荷の稼働、坂道やスロープがある
② ガソリン|バランスの良い万能選手
燃料: レギュラーガソリン
ガソリンフォークリフトは、バランスの取れた万能タイプです。
ガソリンの強み:
- 始動性が良い — 寒い朝でもエンジンがかかりやすい
- ディーゼルより排気がクリーン — 黒煙が出ない
- 振動・騒音がディーゼルより小さい — 比較的静か
- 車体価格が比較的安い — 同クラスのディーゼル車よりお手頃なことが多い
ガソリンの弱点:
- ディーゼルよりパワーが控えめ — 重量物を頻繁に扱う現場ではやや物足りない
- 燃料コストがディーゼルより高い — ガソリンは軽油より単価が高い
- 屋内使用は要注意 — 排気ガス(一酸化炭素)が発生するため、換気が不十分な屋内は危険
ガソリンが向いている現場: 屋外メインだがディーゼルほどのパワーは不要、使用頻度が低め〜中程度、小〜中型の荷物を扱う
③ ガソリン/LPG併用|2つの燃料を使い分ける二刀流
燃料: レギュラーガソリン+LPGガス
ガソリンとLPGの両方を切り替えて使えるのが併用タイプです。
併用タイプの強み:
- 燃料切れのリスクが低い — ガソリンが切れてもLPGに切り替えて走行できる
- LPG使用時は排気がクリーン — 屋内作業にも対応しやすい
- 柔軟な運用が可能 — 屋外ではガソリン、屋内ではLPGと使い分けられる
併用タイプの弱点:
- 車体構造がやや複雑 — 2つの燃料系統があるためメンテナンス箇所が増える
- LPGボンベの管理 — ボンベの交換・保管が必要
- 流通量がやや少ない — 中古市場での選択肢がディーゼルやガソリンに比べて限られる
併用タイプが向いている現場: 屋内外を行き来する、燃料切れが許されない現場、柔軟な運用をしたい
④ LPG専用|クリーンな排気で屋内もOK
燃料: LPGガス(液化石油ガス=プロパンガス)
LPG専用のフォークリフトは、エンジン車でありながら比較的クリーンな排気が特徴です。
LPG専用の強み:
- 排気がクリーン — ディーゼルやガソリンに比べて有害物質の排出が少ない
- 屋内外で使用可能 — 換気条件つきで屋内作業にも対応
- エンジンの汚れが少ない — LPGはエンジン内部を汚しにくい燃料
- 燃料コストが比較的安い — LPGの価格はガソリンより安い地域が多い
LPG専用の弱点:
- LPGボンベの調達・管理が必要 — ガソリンスタンドでは買えない、ガス会社との契約が必要
- ボンベ交換の手間 — 使い切るたびにボンベを交換する作業が発生
- 冬場の出力低下 — 気温が低いとLPGの気化効率が下がり、パワーが落ちることがある
- 保管場所の規制 — LPGボンベの保管には消防法上の基準がある
LPG専用が向いている現場: 屋内外を使い分けたいが排ガスを抑えたい、食品工場で換気が確保できる環境、LPGの供給インフラがすでにある
⑤ バッテリー(電動)|排気ゼロの屋内スペシャリスト
燃料: 電気(バッテリー充電)
電動フォークリフトは、排気ガスが一切出ないのが最大の特徴です。
電動の強み:
- 排気ガスゼロ — 食品・医薬品倉庫など空気の質が重要な現場に必須
- 騒音が非常に小さい — 住宅地近くの倉庫、夜間作業が可能
- 振動が少ない — オペレーターの疲労軽減
- メンテナンス箇所が少ない — オイル交換や排気系統の整備が不要
電動の弱点:
- バッテリーの寿命と交換コスト — 新品バッテリーは80万〜250万円
- 稼働時間に制限 — フル充電で5〜8時間、充電に8〜10時間
- パワーがエンジン車に劣る場面 — 重量物・坂道では不利
- 屋外・不整地に弱い — 雨、砂利道、粉塵に弱い
- 充電設備が必要 — 専用充電器、換気、電源工事などの初期投資
電動が向いている現場: 完全屋内使用、排気ガスを出せない環境、騒音制限がある、1日の稼働が6〜7時間以内
燃料タイプ別|一覧比較表
一目で違いがわかる比較表です。
| 比較項目 | ディーゼル | ガソリン | ガソリン/LPG | LPG専用 | バッテリー |
|---|---|---|---|---|---|
| パワー | ◎ | ○ | ○ | ○ | △ |
| 燃費・ランニングコスト | ◎ | △ | ○ | ○ | ◎ |
| 排気のクリーンさ | △ | ○ | ○(LPG時) | ◎ | ◎(排気ゼロ) |
| 騒音の小ささ | △ | ○ | ○ | ○ | ◎ |
| 屋外への強さ | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | △ |
| 屋内での使いやすさ | × | △ | ○ | ○ | ◎ |
| 連続稼働時間 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | △ |
| メンテナンスの手軽さ | ○ | ○ | △ | ○ | ◎ |
| 中古の流通量 | ◎ | ○ | △ | △ | ○ |
| 耐久性 | ◎ | ○ | ○ | ○ | ○(※バッテリー除く) |
使う場所と環境で選ぶ|燃料タイプの選び方ガイド
「結局、うちの現場にはどれがいいの?」
以下の3つの質問に答えれば、最適な燃料タイプが見えてきます。
質問①|主に使うのは屋外?屋内?
屋外がメイン → ディーゼル or ガソリン パワーが必要ならディーゼル、そこまで重くない荷物ならガソリンでOK。
屋内がメイン → バッテリー(電動) 排気ガスが出ない電動が最適。特に食品・医薬品を扱う環境では電動一択。
屋内外の両方 → LPG専用 or ガソリン/LPG併用 屋外のパワーと屋内のクリーンさを両立させたいなら、LPG系が候補。
質問②|運ぶ荷物はどのくらいの重さ?
1トン以上の重量物を頻繁に扱う → ディーゼル トルクの太いディーゼルエンジンが最も安心。坂道があるならなおさら。
パレット単位の一般的な荷物 → ガソリン、LPG、バッテリーどれでも対応可能 現場の環境(屋内外、換気など)で絞り込む。
軽量物が中心 → バッテリー(電動) パワーは十分。静かで排気もなく、オペレーターにも優しい。
質問③|1日にどのくらいの時間使う?
8時間以上、フル稼働 → ディーゼル or ガソリン or LPG 燃料を補給すれば何時間でも連続稼働できるエンジン車が安心。
6〜7時間以内 → バッテリー(電動)も候補に入る 1日1充電で間に合う使い方なら、電動のメリットを活かせる。
短時間・断続的な使用 → どの燃料タイプでもOK 使用頻度が低ければ、燃料タイプよりも車体のコンディションを優先して選ぶ。
補足コラム|「燃料タイプを間違えた」は意外と多い
ここで、現場でよくある話をひとつ。
「ガソリンでいいやと思って購入したけど、実はディーゼルが必要だった……」
こういうご相談、実はけっこうあります。
使ってみて初めてわかることがある。 荷物が思ったより重かった。坂道があった。パワーが足りなかった。
普通の業者さんなら、「それはお客様の判断ですから仕方ないですね」で終わるかもしれません。
でも、うちはどうしてもお客様に寄り添ってしまう。
「でしたら今、こちらの在庫にディーゼルのものがあるので、これと交換しましょう」
……と、つい言ってしまう。
後でうちのスタッフから、「そこまでする必要ないんじゃないですか?」とフィードバックを受けることも。
情が行きすぎて大きな損を出してしまったこともあります。正直に言えば。
でも、できるだけお客様の要望に応えていきたいと考えてしまうんです。
……とはいえ、本当はこうならないのが一番です。
だからこそ、最初の段階で燃料タイプの違いを知っておくことが大切。
違いを理解しておけば、無駄なコストもかからないし、「買い直したい」というストレスもない。
基礎を押さえることが、賢い購入の第一歩です。
補足コラム|中古フォークリフトで人気の燃料タイプは?
中古フォークリフト市場での燃料タイプ別の人気と流通量をお伝えします。
① ディーゼル — 圧倒的に流通量が多い 中古市場の主流。選択肢が豊富で、価格も安定。 パワフルで汎用性が高いため、「迷ったらディーゼル」という選び方をするお客様も多い。
② バッテリー(電動) — 近年増加傾向 環境意識の高まりで新車販売が伸びているため、中古市場にも電動フォークリフトが増えてきている。 ただし前述の通り、バッテリーの状態には要注意。
③ ガソリン — 安定した需要 小型〜中型で根強い人気。始動性の良さとコストパフォーマンスから、使用頻度が低め〜中程度の現場で選ばれる。
④ LPG系(専用・併用) — ニッチだが固定ファンがいる LPGの供給インフラがある会社では根強い人気。 ただし中古の流通量は少なめ。
プロのアドバイス: 初めてフォークリフトを購入するなら、まずはディーゼルかガソリンがおすすめ。中古の選択肢が多く、整備やメンテナンスの情報も豊富です。電動やLPGは、現場の環境が明確にそれを求めている場合に選びましょう。
まずは基礎を押さえよう|オールプロスからのメッセージ
フォークリフトの燃料の違い。
基礎の基礎ですが、ここを知っているかどうかで、購入後の満足度が大きく変わります。
ディーゼルのパワー。 ガソリンのバランス。 LPGのクリーンさ。 電動の静粛性。
それぞれに強みがあり、合う現場がある。
大切なのは、自分の現場に合った燃料タイプを、買う前に理解しておくことです。
オールプロスは、お客様の繁栄のパートナーとして、燃料タイプの選び方から丁寧にサポートさせていただきます。
「うちの現場にはどれが合いますか?」
そんな素朴な質問で構いません。 お客様の事業内容、作業環境、荷物の種類、予算をヒアリングした上で、最適な一台をご提案いたします。
今日もまた、お客様の繁栄のために。
まとめ
| 燃料タイプ | 一番の強み | 向いている現場 |
|---|---|---|
| ディーゼル | パワーと燃費 | 屋外、重量物、長時間稼働 |
| ガソリン | バランスの良さ | 屋外メイン、中程度の使用頻度 |
| ガソリン/LPG併用 | 燃料の柔軟性 | 屋内外を行き来する現場 |
| LPG専用 | 排気のクリーンさ | 屋内外兼用、食品工場(換気あり) |
| バッテリー(電動) | 排気ガスゼロ・静粛性 | 完全屋内、排ガスNG環境 |
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